7月 2013の一覧 | Home

西尾維新 「クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い」

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主人公の一人:いーちゃん こと ぼく(語り部)と
風間 が そっくり なんです。

性格・考え方などなど 片鱗が。

ちょっぴり 同族嫌悪。
でも 読んじゃうんですよね。

西尾維新 さんの「戯言シリーズ 第1巻」
デビュー作にして メフィスト賞 受賞作品です。

この戯言シリーズの世界観は とっても独特。
表世界、財力の世界(四神一鏡・神理楽)、
政治力の世界(玖渚機関)、暴力の世界(殺し名・呪い名)
の4つの世界が拮抗しています。

その中で、
サヴァン症候群で工学の天才美少女:玖渚友
その冴えない友人:いーちゃん を中心に
人類最強の請負人とか
戦いのエキスパートのお嬢様方とか
人類最悪とか 人類最終とか とか が出てきて
戦ったり 協力したり 騙し合ったり する シリーズです。

特に 殺し名・呪い名 の皆々様が インパクトが強すぎて
主人公の2人が かき消されそうな勢いなんですけど
みんながみんな 強烈なので
逆に いーちゃん みたいに サラッとしたキャラが活きている。みたいな。

しかも 基本的に 萌えキャラです。


帯には “新青春エンタの傑作”なんて書いてありますが
そこは イマイチよく分かりません。
ミステリー感も醸し出されつつ
キャラクターの人間性が 一番 魅力的な作品です。

特に いーちゃん。

捏ねまくる屁理屈も、
優柔不断というには 投げやりすぎる態度も、
全体的に。
頭でっかちで 小難しく考えすぎるところも
いーちゃんの 長所。

でも
1巻目だけでは 魅力が伝わりにくい作品でもあるので
ぜひ シリーズとして 読んでみてください。

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読み進めていくにつれ、
崩子ちゃんとか、萌太くんとか
零崎一族 (人識、双識) とか 魅力的なキャラが
たっぷりと たくさん 出てきますよ。

特にオススメは 零崎一族。
変態・変人だらけです。


でも
西尾維新さんの良さを 手っ取り早く知るには
「きみとぼくの壊れた世界」かもしれません。
2013年07月31日 13:33 カテゴリ:夏の36冊
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栗本薫 「魔界水滸伝」

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栗本薫さんに出会ったのも
若林図書館に通いつめていた 中学生の頃。

「朝日のあたる家」、「終わりのないラブソング」から始まり
「レダ」、「セイレーン」、「心中天浦島」、「さらしなにっき」と
SFモノに はまり
「夢幻戦記」で 見事に 栗本さんワールドに はまり しました。

そこで 満を持して読んだのが、この「魔界水滸伝」!!

当時から神話が好きだった風間。
一人PCで “中国神話大全” みたいなサイト巡りをし
自分なりの系図を作り、としていたわけですが。

ものっすごく ワクワクするんですよね、このシリーズ。

クトゥルーの神々 vs 地球古来の神々(鬼・天狗・蛟)
しかも 何人かは ○○の転生した姿、だなんて。

なんて どきどき するんでしょう!!

主人公は 大学生:涼と ルポライター:雄介。

この二人も 嫌いじゃないんですが
蛟で八岐大蛇で織田信長 : 北斗多一郎
地球軍・参謀 : 加賀四郎
希代の詐欺師 : 草薙三四郎
というキャラクターたちが 好きです。

涼がどんどん 女々しく・なよなよっとしていくのも
あの ラストだからか…!?と
20冊かけて描かれるラストは 衝撃的でした。

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(下の段にある「白銀の神話」は 北斗多一郎が主人公の外伝です)

“水滸伝” なわりには 中国らしさは希薄ですが
その分 世界的な有名神話の神々・民話に出てくる妖怪が
これでもか!と 登場します。

ぜひ、栗本さんの 『妖怪大戦争』、堪能してください。



ちなみに。

その後も 栗本さんワールドはまりは続き、
ついに 「グイン・サーガ」にも手を出し (大人買いし)
お家の本棚に どどんっと鎮座しております。

何度 読んでも (次の展開を覚えていても)ワクワクする
その雰囲気、大好きです。
2013年07月30日 14:09 カテゴリ:夏の36冊
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松岡圭祐 「ミッキーマウスの憂鬱」

今日(7/29)は 『別冊 LaiLai 夏の36冊』 ということで
SunriseStation の 高橋綾さんに
好きな本を 教えていただきました。

松岡圭祐さん の 「ミッキーマウスの憂鬱」



…松岡さんで、ミッキーマウスで、憂鬱!?

と思っちゃいました。

松岡さんといえば
映像化された「催眠」「千里眼」
映画化も決まった「万能鑑定士Qの事件簿」
こういった シリーズもののイメージが 強すぎて
単発モノのイメージがなかった&ファンシーなイメージもなかったので。


《あらすじ》

主人公は、東京ディズニーランドで アルバイトすることになった
21歳の後藤くん。
彼は、
友情・トラブル・恋愛…さまざまな出来事を通して
裏方の意義や誇りに 目覚めていきます。
巨大テーマパークの“バックステージ”を描いた
史上初の ディズニーランド 青春 成長 物語!!


ということで 松岡さん作品にしては ふわっとした雰囲気ですが
“東京ディズニーランド史上、最大の危機に相違なかった”という
一文があるとおり 大変な事態も起こっちゃうんですって。

東京ディズニーリゾート 開園25周年 の年に書かれた この作品を
30周年の2013年に 読む。
(しかも アヤタカねえさんは 昨日 大阪のテーマパークに行ってきた)
いろいろな意味で タイムリーな作品なので
よかったら 手にとってみてください。


本棚を探しても 松岡さん作品は
万能鑑定士Qシリーズしか 持ってませんでした…



しかも 集め途中。

「催眠」とか「千里眼」とか
中学〜高校にかけて はまって読んだんですけどね。
また 集めないとです。

2013年07月29日 13:20 カテゴリ:夏の36冊
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荻原規子 「レッドデータガール はじめてのお使い」



私は 文庫を集めているので
まだ5冊しか 持っていないんですが
累計販売数 45万部以上!!という大人気・現代ファンタジー。

もともと 荻原規子さんの『勾玉三部作』 が好きで
でも 図書館で借りたっきりで。
久々に読みたいなぁと思い 本屋さんに行ったら
新作が出ているではないですか!?

迷わず手に取りました。

みんなと一緒 は 基本的にイヤな風間。
“絶滅危惧種の少女” だなんて なんて素敵な響きでしょう…と
普通の女の子になりたい、守り育てられるさだめの女の子
主人公:泉水子に なりきって 読み進め。
この子が 苛めたくなるようでいて
守らなきゃ…という庇護欲をかきたてられ。
“特別な人” という存在感は しっかりと醸し出されているんです。

(さだめ と聞くと 風の谷のナウシカを すぐに思い出しちゃいます)

世界遺産、山伏、姫神、忍者、陰陽師…
好きなワードしか並んでいない ことに興奮し。

早く6冊目が 文庫で 出ないかなぁと やきもきしてます。



勾玉三部作が好きな方は 好きなタイプだと思いますし
子供向けのライトノベル として書かれていますが
むしろ 大人が 読んで 楽しめると思います。

富士山も 世界遺産に登録されたことですし
(ファンタジー的な意味での)世界遺産 にまつわる この物語
読んでみてください。
2013年07月25日 13:50 カテゴリ:夏の36冊
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北森鴻 「凶笑面」

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表紙の禍々しさには ドキドキしたものの
読んでみると かなり面白いんです。

民俗学×ミステリー

“諸星大二郎先生の「妖怪ハンター」に捧ぐ” とあるように
異端の民俗学者と助手が主役で
調査に赴く先々で遭遇する数奇な事件の数々が
描かれています。

民俗学者:蓮丈那智が 好みのタイプなんですよね。
美貌の持ち主なのに 笑顔を滅多に見せない 冷たい感じ。
アンドロイドみたいな。
そして 内藤三國の 気弱な助手っぷりも たまりません。

短編集なので 難しすぎず、でも民俗学的にはコアに
楽しめると思いますので、
ぜひ 手にとってみてください。

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ちなみに。
那智も 好みですが もっと好みなのが 旗師:宇佐美陶子。

「冬狐堂」シリーズ(と勝手に読んでいます)の
「狐罠」、「狐闇」、「緋友禅」、「瑠璃の契り」に登場する
(古)美術商です。

この陶子さんに憧れて
骨董屋さん になるのもいいなぁ〜なんて思ったものです。

ちょうど 進路に真剣にならざるを得ない 大学生の頃。

必修でもないのに 昔話・伝承などの講座をとりまくり
司書か 学芸員か はたまた 教員か 悩んでいた頃に
はまって読んでいました。

結局 どれも選択しませんでしたが。

歴史・民俗学の深みに はまること請け合いです。
風間が抜け出せないどころか ますます はまりこんだので。

ぜひ 読んでみてください。
2013年07月24日 13:46 カテゴリ:夏の36冊
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甲田学人 「Missing 神隠しの物語」

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(誰だったかは 定かじゃないんですが…)
同級生に借りたシリーズ。

イラストの 萌え萌え感に騙されることなかれ!
あまりの 不気味さ & 気持ち悪さ に 眠れなくなりました。

イメージとしては
泉鏡花+小泉八雲+柳田國男×貞子(「リング」シリーズ)

モチーフが
神隠し、座敷童子、狗憑き、合わせ鏡 などなどなので
民俗学や オカルト、言い伝え・昔話 が好きな方は
ゾクゾクしながら 読むことができると思います。

土間が ざらざらしているような
畳が 湿っているような
日本人ならではの 不快感 を 感じる ホラーファンタジー。
一応分類は ライトノベルなんですけど、
全然 ライトじゃないです!!

本格的な考証に基づいているようで
ある意味 ノンフィクションにも 思えてきて リアル。

13巻通して読むと ものすごい ぞわぁ〜っと感が
襲ってくると思います。

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決して 暗いところで、家に誰もいない中
読まないほうがいいと思います。
引き摺られます。
2013年07月23日 14:50 カテゴリ:夏の36冊
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氷室冴子 「なんて素敵にジャパネスク」&「銀の海 金の大地」

今日(7/22)は 「別冊 夏の36冊」ということで
Spicyvoxxx の 平川歩美さんに 好きな本を教えていただきました。

スタジオジブリのアニメーション 「海がきこえる」 の
原作者でもある 氷室冴子さんの
「なんて素敵にジャパネスク」 シリーズ!!

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平安貴族の瑠璃姫と 許婚の高彬 を中心とした
ドタバタ劇(!?)です。

この 瑠璃姫が
まぁ いろんな騒ぎ・事件に巻き込まれるんですよね。
平安貴族らしからぬ言動を繰り返すわりに モテモテだし。
かなり 魅力的なキャラクターばっかりが登場するので
楽しく読むことができると思います。

サスペンス要素も入っていて
きゅんきゅん & 甘甘 だけではない 恋愛モノ。
ぜひ 読んでみてください。

風間も氷室さんの作品は好きなんですけど
私 イチオシは 「銀の海 金の大地」というシリーズ。

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実は 中学1年生の頃
友達に 一瞬借りた「十二国記」シリーズと間違えて買った、
思いがけない 掘り出しモノ でした (汗)

が、ここから 風間の長髪好きが始まった といっても過言ではない
思い入れのあるシリーズです。

舞台は 大和政権が発足した頃(古代)で、
不思議な力を持つ兄:真澄と 業病に侵される母:御影、
この二人を守りながら 暮らす 14歳の真秀 が主人公。

中学校の歴史の先生の授業が大好きで
弥生時代、大和政権、豪族の興亡などなど
授業と 小説とを リンクさせながら
わくわくして 読んでいました。

古代 という響きだけで ロマンを感じますよね。

そして、
もしかしたら ここから SF好きも 始まったのかもしれません。
登場人物の半数以上が 特殊能力(超能力)を持ってるんです。

さらに
登場人物の関係性が 巻を追うごとに絡まってきて
その複雑さも かなり引き込まれるポイント。
『古代 転生 ファンタジー』
…転生モノにはまりだしたのも ここからかもしれません。

風間の 趣味嗜好を形作ってくれたシリーズ。
よかったら 読んでみてくださいね。
2013年07月22日 13:40 カテゴリ:夏の36冊
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宮部みゆき 「英雄の書」



本屋さんに行くたびに
手にとっては戻し 手にとっては戻し…を繰り返した本。

なぜ そこまで ためらったかというと
(暗そうだったから…)

でも ファンタジー好きな身としては
やっぱり見過ごすことができず 結局 購入しました。


《あらすじ》

小学5年生の友理子は
同級生を殺傷して失踪した兄:大樹の部屋で
手がかりを探していたら “赤い本”に話しかけられます。
“赤い本”によると 大樹は 『英雄の書』に憑かれてしまったそう。
友理子は “ユーリ” となって、
英雄が封印されていた “無名の地” に旅立ちます。
数々の試練を乗り越えたユーリは
想像もしていなかった 真実を知ることになるのです。



《雰囲気》

・ナルニア国物語 + 千と千尋の神隠し
・「ブレイブ・ストーリー」ダークサイド



読み終わった直後の感想は
「いやいや…それじゃ何のための冒険?」でした。

でも その結末にいたるまでの 試練の数々、
人々の感情の描かれ方などは とても見事。

上巻は 若干 説明文っぽさがありますが
下巻になると 一気に引き込まれて…
もとい 引き摺られていく感覚を味わえます。


また、宮部みゆきさんは
風間も好きな 「クトゥルフ神話」のファンなんですって。
「黄衣の王」というキャラクターも出てくるんですが
これもまた クトゥルフ神話 に出てくるアイテム。


哲学や倫理の授業が 好きだったり
英雄譚が 好きだったり、という方は かなり 楽しく読めると思います。

小学生主人公のファンタジー…というか RPG みたいですが
大人の方がはまっちゃう物語ではないかと。

ぜひ 読んでみてください。
2013年07月18日 13:35 カテゴリ:夏の36冊
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麻耶雄嵩 「鴉」

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この ラストは これまで読んできた本の中でも1位!

というくらい、アッと思わされた本です。

知識があったら
途中で見破ることができていたのかもしれませんが
良くも悪くも 忘れられない ラスト。

(正直 「それは ないよ〜」 と 思ったのも 事実)


主人公:珂允(カイン)は、
弟:襾鈴(アベル)の失踪&死の謎を追って 異郷の村に潜入。

黒のタキシード、スティールのステッキ、シルクハットといういでたちの
銘探偵:メルカトル鮎 と出会って
村で起きた連続殺人事件 の真相に迫っていくんですが、
ラストが!
大どんでん返し!!

そのラストに 驚愕した後に 読み直してみると
1回目では 見落としていた
四つの祭り、薪能、蔵の奥の人形、錬金術、
五行思想、支配者:大鏡、などなどの 違和感に気付くことができて
2度3度びっくり!!

何か 腑に落ちなかった&気持ち悪かった、違和感は これか!?
という感じ。


大学では 哲学ゼミに所属していた風間。
高校生の頃 読んだので、
カインコンプレックスを 初めて知った作品でもあります。

かなり インパクトのある1冊なので
明るいところで しかも すぐに検索がかけられる環境で
読むことを オススメします。


ちなみに 銘探偵:メルカトル鮎 は
麻耶雄嵩さんの さまざまな作品に登場します。
脇役っぽく。
若干 厭味に。
でも かなり強烈に。

ぜひ 読んでみてください。
2013年07月17日 13:31 カテゴリ:夏の36冊
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高橋克彦 「総門谷」



SF好きが高じて はまった 作家:高橋克彦さん。

「ドールズ」、「写楽殺人事件」、「緋い記憶」、「火怨」などなど
有名な作品が多い 高橋さんですが
風間が特に好きなのは SF系の作品。

「総門谷」は
UFO、神話、歴史、輪廻転生、クローン、超能力。
大好物なワードが ずらりと並ぶ作品。
SFというSFのエッセンスを すべて詰め込んだ
構想 15年の巨編です。

主人公である 超能力者:顕は
(風間から見たら)
途中参加なので 主人公っぽくないんですけど
周りを固める大人たちが すごく魅力的。

さらに 敵が、ありえない んです。
「総門谷」= 総門の谷
そうもん…ソウモン…ソーモン…
“ソ” にアクセントを置いて 外国語っぽく 巻き舌で繰り返すと
ある歴史上の人物に なると思います。
その彼が黒幕で
部下として たくさんの 歴史上の人物が登場します。


以下 解説からの引用
  ↓↓

「3000年を生きているという人間。
 甦った歴史上の人物たち。
 日本に古代から存在する隠れ里。
 死者を蘇生させる超能力。
 どれひとつを取っても簡単に信じるわけにはいかない話」



この ありえなさ が いいんですよね。

隠れ里とか 甦ったとか、ワクワクします。

大人たちが話しだす(与太)話も 弁論鮮やかで
仮説・フィクションと分かっていながら
ついつい 『本当かも…』 と感じてしまって
実は 卒業論文の参考文献にも しちゃいました。

1冊だけ読んでも大丈夫ですが
「総門谷R」として
阿黒篇、鵺篇、小町変妖篇、白骨篇 が出てます。
合わせて読むと 顕の凄さが分かりますので ぜひ(笑)



おまけ。
当時、東北地方の新聞に連載されていたんですって。
河北新報
これを掲載して 大丈夫だったんだろうか…と
心配になるくらいのSFです。
2013年07月16日 14:19 カテゴリ:夏の36冊
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