北森鴻 「凶笑面」
表紙の禍々しさには ドキドキしたものの
読んでみると かなり面白いんです。
民俗学×ミステリー
“諸星大二郎先生の「妖怪ハンター」に捧ぐ” とあるように
異端の民俗学者と助手が主役で
調査に赴く先々で遭遇する数奇な事件の数々が
描かれています。
民俗学者:蓮丈那智が 好みのタイプなんですよね。
美貌の持ち主なのに 笑顔を滅多に見せない 冷たい感じ。
アンドロイドみたいな。
そして 内藤三國の 気弱な助手っぷりも たまりません。
短編集なので 難しすぎず、でも民俗学的にはコアに
楽しめると思いますので、
ぜひ 手にとってみてください。
ちなみに。
那智も 好みですが もっと好みなのが 旗師:宇佐美陶子。
「冬狐堂」シリーズ(と勝手に読んでいます)の
「狐罠」、「狐闇」、「緋友禅」、「瑠璃の契り」に登場する
(古)美術商です。
この陶子さんに憧れて
骨董屋さん になるのもいいなぁ〜なんて思ったものです。
ちょうど 進路に真剣にならざるを得ない 大学生の頃。
必修でもないのに 昔話・伝承などの講座をとりまくり
司書か 学芸員か はたまた 教員か 悩んでいた頃に
はまって読んでいました。
結局 どれも選択しませんでしたが。
歴史・民俗学の深みに はまること請け合いです。
風間が抜け出せないどころか ますます はまりこんだので。
ぜひ 読んでみてください。