北森鴻 「凶笑面」

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表紙の禍々しさには ドキドキしたものの
読んでみると かなり面白いんです。

民俗学×ミステリー

“諸星大二郎先生の「妖怪ハンター」に捧ぐ” とあるように
異端の民俗学者と助手が主役で
調査に赴く先々で遭遇する数奇な事件の数々が
描かれています。

民俗学者:蓮丈那智が 好みのタイプなんですよね。
美貌の持ち主なのに 笑顔を滅多に見せない 冷たい感じ。
アンドロイドみたいな。
そして 内藤三國の 気弱な助手っぷりも たまりません。

短編集なので 難しすぎず、でも民俗学的にはコアに
楽しめると思いますので、
ぜひ 手にとってみてください。

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ちなみに。
那智も 好みですが もっと好みなのが 旗師:宇佐美陶子。

「冬狐堂」シリーズ(と勝手に読んでいます)の
「狐罠」、「狐闇」、「緋友禅」、「瑠璃の契り」に登場する
(古)美術商です。

この陶子さんに憧れて
骨董屋さん になるのもいいなぁ〜なんて思ったものです。

ちょうど 進路に真剣にならざるを得ない 大学生の頃。

必修でもないのに 昔話・伝承などの講座をとりまくり
司書か 学芸員か はたまた 教員か 悩んでいた頃に
はまって読んでいました。

結局 どれも選択しませんでしたが。

歴史・民俗学の深みに はまること請け合いです。
風間が抜け出せないどころか ますます はまりこんだので。

ぜひ 読んでみてください。
2013年07月24日 13:46 カテゴリ:夏の36冊
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