宮部みゆき 「英雄の書」



本屋さんに行くたびに
手にとっては戻し 手にとっては戻し…を繰り返した本。

なぜ そこまで ためらったかというと
(暗そうだったから…)

でも ファンタジー好きな身としては
やっぱり見過ごすことができず 結局 購入しました。


《あらすじ》

小学5年生の友理子は
同級生を殺傷して失踪した兄:大樹の部屋で
手がかりを探していたら “赤い本”に話しかけられます。
“赤い本”によると 大樹は 『英雄の書』に憑かれてしまったそう。
友理子は “ユーリ” となって、
英雄が封印されていた “無名の地” に旅立ちます。
数々の試練を乗り越えたユーリは
想像もしていなかった 真実を知ることになるのです。



《雰囲気》

・ナルニア国物語 + 千と千尋の神隠し
・「ブレイブ・ストーリー」ダークサイド



読み終わった直後の感想は
「いやいや…それじゃ何のための冒険?」でした。

でも その結末にいたるまでの 試練の数々、
人々の感情の描かれ方などは とても見事。

上巻は 若干 説明文っぽさがありますが
下巻になると 一気に引き込まれて…
もとい 引き摺られていく感覚を味わえます。


また、宮部みゆきさんは
風間も好きな 「クトゥルフ神話」のファンなんですって。
「黄衣の王」というキャラクターも出てくるんですが
これもまた クトゥルフ神話 に出てくるアイテム。


哲学や倫理の授業が 好きだったり
英雄譚が 好きだったり、という方は かなり 楽しく読めると思います。

小学生主人公のファンタジー…というか RPG みたいですが
大人の方がはまっちゃう物語ではないかと。

ぜひ 読んでみてください。
2013年07月18日 13:35 カテゴリ:夏の36冊
kazama 固定リンク