『夏の36冊』カテゴリの一覧 | Home

小野不由美 「屍鬼」

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風間の オールタイムベスト の中でも
5本の指に入る 名作。

人影のない 高校の図書室。
初めて 手に取ったのは
まるで辞書サイズの ハードカバー(上下巻)でした。

本当は このハードカバー版が欲しかったんですが
保管場所&金額の都合上、文庫5巻セットを購入。

文庫になったことにより
内容も重みも 若干 ライトになったような…?
でも、
人間とは、生きるとは、永遠とは、何か
深く深く考えさせられるところは変わらず。

この「屍鬼」は
昨日 ご紹介した ステーヴン・キング 「呪われた町」への
オマージュ作品なので 内容(設定)は ほぼ同じ。


ある田舎町に 古びた屋敷があって
そこに 余所者が引っ越してきます。
それをきっかけに 町で不審死が相次ぎ
さらに 死んだはずの人々が 起き上がっている目撃談もあり
(「屍鬼」の場合は)
少年、医師、僧侶が 事件の謎を追う、というのが大筋。


ただ、「呪われた町」が
どこまでも 勧善懲悪 & 神が絶対的 だったのに対し
「屍鬼」は
日本的な倫理観、道徳観、良くも悪くも 優柔不断な性質によって
何が正義で、何が悪 なのか 分からなくなるんですよね。

現代日本における 無神論者 の多さからくる
神さま・宗教の頼りなさ、これが まざまざと描かれています。


とても 儚くて 哀しい物語ですが
何度も何度も 夏になると 読み返したくなるんです。

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ちなみに ?
風間はアニメ・漫画は 見てません。
小説のみ、です。


ちなみに ?
登場人物 : 辰巳に がっつり影響を受けました。
風間の基本的感性を作ってくれた作品は いろいろありますが
特に 儚さ = 美しさ を作ったのは 彼です。


辰巳の名言
「すべてのものは滅びる。意味なんてものは飛散して消失する。
 けれども沙子がそれに抵抗してあがくさまは見応えがある。
 落下していく様子そのものが、見ていて飽きないんです。
 ――綺麗だと思う。」

( 「屍鬼 五」 (新潮文庫) 376ページより)
2013年08月13日 13:32 カテゴリ:夏の36冊
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スティーヴン・キング 「呪われた町」

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そもそもは 小野不由美さんの「屍鬼」で知った作品。
スティーヴン・キングのことは 知っていましたが
ホラーだと分かっていたので 手を出していなかったんです。

アメリカの片田舎、ある屋敷で ヴァンパイア が蘇る。

耽美的なヴァンパイアは好きでも
グロ怖なヴァンパイアは そこまで好きではない風間。

「呪われた町」のヴァンパイアは
夜にしか行動しないようになった、とか。
日焼けに耐性がなくなった、とか。
お店 が 日中休みになることが多くなったとか。

妙なリアリティ が怖すぎて
読んでも読んでも、頭の中に内容が入ってこない作品…
脳が 理解することを 拒否している感じ。

カタカナ名詞に強く、
怖いもの見たさ が あり、
ぞわっと感を味わいたい方は
ぜひ 読んでみてください。
2013年08月12日 13:40 カテゴリ:夏の36冊
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新海誠 「小説・秒速5センチメートル」

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確か 数年前 インターネット上に
新海誠監督の特集ページが できてたんです。

大学生で 授業と授業の間 相当ヒマだった風間。

何の気なしに見てみたら そのまま はまっていきました。

ものっすごく 切ないのに キラキラしていて
美しくて 文学的な 映像。
光と影の雰囲気は 開始3秒で 引き込まれます。

そんな とても美しい映像を 新海監督自らがノベライズしたのが
「小説・秒速5センチメートル」。
映画では描かれなかった心情が もっと詳しく描写されていたり。
小説ならではの 展開があったり。
相互補完しているので ぜひ どちらも ご覧ください。


ちなみに、雑誌「ダ・ヴィンチ 9月号」から
劇場アニメーション『言の葉の庭』 小説版の連載が
スタートしています。
(秦基博さんが 主題歌を歌っていた作品)

これもまた 気になる作品。
2013年08月08日 13:47 カテゴリ:夏の36冊
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森絵都 「カラフル」

今日(8/7)は 「別冊 LaiLai 夏の36冊」ということで
SandyTrip の アユミさんに
好きな本= 森絵都 「カラフル」 をご紹介いただきました。

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移動中に読む用に 空港などで本を買うという アユミさん。
前情報などを調べずに 直感的に 選ぶんですって。

そうやって この 「カラフル」も
アユミさんの元に やってきました。

死んだはずの ぼく は
自殺したばかりの少年:小林真くんに 乗り移ることになって
前世で犯した悪事を思い出さなきゃいけないんですが。

14歳の 真くんが 全然冴えない子で
家族もバラバラで、友達もいなくて…
でも最後は爽やかな気持ちになれる、そんな物語。

アユミさんは
自分自身でいいんだと 心が軽くなった。
客観的に自分を見ることで 楽に生きられる。
そんな風に 読み終わって感じたそうです。


風間も 中学生の頃読んだ 一冊ですが
アユミさんに ご紹介いただくまで (忘れてました)。
すみません…


中学生はもちろん 年齢を問わずに
自分を顧みることができると思いますので
ぜひ 手にとってみてください。


実は アユミさん 東野圭吾「秘密」も
スタジオに 持ってきてくださってました。
せっかくなので どちらも手に持っての撮影です。



ありがとうございました!
2013年08月07日 16:10 カテゴリ:夏の36冊
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佐藤さとる 「だれも知らない小さな国」

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佐藤さとるさんの 「コロボックル物語シリーズ」は
大ベストセラーなので
愛読書になっている方も 少なくないのではないでしょうか。

風間も 子供の頃 青い鳥文庫Verで読んで以来
大好きなシリーズです。

まず、風間の場合は 主人公:ぼく の夏休みの過ごし方に
憧れました。

とりもち とは なんぞや
もちの木って どんな木?
美しい泉?
山をひとつ 自分のものにできるなんて…

さらに そこに 小人たち=コロボックルが登場すると
一気に その かわいらしさに 惹かれました。

のちのち、ぼく と同じように
アイヌの神話を読んでみたり
日本神話のスクナヒコナノミコト 部分をチェックしてみたり
一寸法師とか「借りぐらしのアリエッティ」で
テンションがあがったり

大人になってからの方が、
のめりこんで読むことができた物語です。

今住んでいる お家も古くて
床下に倉庫があって
いかにも コロボックルやアリエッティがいそうなので
いつか 姿を見せてくれないか 楽しみです。

また 楽しみといえば
有川浩さんが 続編を書く予定という発表から すでに 2年。
いつまでも 待ち続けますが
できれば早めに出版されると嬉しいのが ファン心理。

待ってます!
2013年08月06日 13:46 カテゴリ:夏の36冊
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入江君人 「神さまのいない日曜日 墓守の少女」

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神様は
月曜に世界を作り、
火曜に整頓と混沌を極め、
水曜に細々とした数値をいじくり、
木曜に時間が流れるのを許し、
金曜に世の隅々まで見、
土曜に休み。
日曜に、世界を捨てた…なんて

1ページめくったところに こんな素敵な神話が書いてあったら
神話好き風間が 食いつかないわけがありません。

正直 ページを進めるうちに
あまりにも ライトノベル的すぎる文章に
「おぉっと〜…(汗)」 なんて思ったんですけど
それも上回る 世界観に ノックアウトされました。

15年前から
子供が生まれなくなり、人も死ななくなり
つまり 人が死ねなくなり (ゾンビ化する)。
そのゾンビに 穏やかな死を与えられる唯一の存在が
主人公のアイの職業でもある 墓守。

でも 彼女は12歳。

彼女の出生には ある大きな秘密があります。

その秘密を知るために、
そして 彼女を守ろうと
村人たちが内緒にしていたことを 尊重するために
アイは 旅立つことを 決意します。

1巻は 旅立ちまでが描かれていて
2巻以降は 生まれ育った村以外で
いろんな出会いをして、アイが成長していって
世界が どことなく 変わっていく様子が描かれています。

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まだ 2巻までしか集めていないので 何ともいえませんが
確実に 面白いです。
文章 (特に会話部分) に慣れれば。

よかったら 読んでみてください。

アニメ化されるだけのことは あります。
2013年08月05日 13:38 カテゴリ:夏の36冊
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奈須きのこ 「空の境界」



奈須きのこ さん といえば
同人サークル TYPE-MOON とか 竹箒 とか。
ゲームで 漫画やアニメにもなった 「月姫」、「Fate/stay night」 などで
ご存知の方も いらっしゃると思います。

今日ご紹介した「空の境界」は
両儀式 という2年間の昏睡状態から目覚めた少女が主人公。
式と、彼女の友達:黒桐幹也
幹也の妹:鮮花、鮮花の師匠で魔術師の橙子さん が
主な登場人物です。

式は 記憶と引き換えに あらゆるモノの死を見ることができる
“直死の魔眼”を手に入れました。

というのが 大前提にあって。

キーワードは
魔術・魔法、起源・根源、アカシックレコード・抑止力 。

この世界観は 奈須さんの作品に共通するもので、
この世界観が 大好きなんです。

夜、妖しく、耽美な感じ。
魔術師やルーン文字、妖精なども登場します。

シリアスな中にも 笑い・言葉遊びなどが盛り込まれ
ゲームのようで 読みやすい小説です。

最初は、
同人だし、とか。
イラストがなぁ…、とか。
正直思ってたんですけど
読み始めると 止まらなくなって はまっちゃうんです。

ぜひ だまされたと思って 読んでみてください。



「特別なものが好き」で
「禁忌と呼ばれるものに惹かれる質」の鮮花は
自分と似てる、と感じる。
(風間も まさに その気がありますが)
そんな方は ぜひ。



秘密?
実は 一番好きなのは 「Fate」シリーズ

秘密?
一時期、学生時代に はまってPCに向かってました。
FM長崎にも いました。同じように徹夜してたスタッフが。

お昼の番組で紹介してよかったかしら…なんて思ってましたけど。
ちょっと安心。
2013年08月01日 14:01 カテゴリ:夏の36冊
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西尾維新 「クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い」

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主人公の一人:いーちゃん こと ぼく(語り部)と
風間 が そっくり なんです。

性格・考え方などなど 片鱗が。

ちょっぴり 同族嫌悪。
でも 読んじゃうんですよね。

西尾維新 さんの「戯言シリーズ 第1巻」
デビュー作にして メフィスト賞 受賞作品です。

この戯言シリーズの世界観は とっても独特。
表世界、財力の世界(四神一鏡・神理楽)、
政治力の世界(玖渚機関)、暴力の世界(殺し名・呪い名)
の4つの世界が拮抗しています。

その中で、
サヴァン症候群で工学の天才美少女:玖渚友
その冴えない友人:いーちゃん を中心に
人類最強の請負人とか
戦いのエキスパートのお嬢様方とか
人類最悪とか 人類最終とか とか が出てきて
戦ったり 協力したり 騙し合ったり する シリーズです。

特に 殺し名・呪い名 の皆々様が インパクトが強すぎて
主人公の2人が かき消されそうな勢いなんですけど
みんながみんな 強烈なので
逆に いーちゃん みたいに サラッとしたキャラが活きている。みたいな。

しかも 基本的に 萌えキャラです。


帯には “新青春エンタの傑作”なんて書いてありますが
そこは イマイチよく分かりません。
ミステリー感も醸し出されつつ
キャラクターの人間性が 一番 魅力的な作品です。

特に いーちゃん。

捏ねまくる屁理屈も、
優柔不断というには 投げやりすぎる態度も、
全体的に。
頭でっかちで 小難しく考えすぎるところも
いーちゃんの 長所。

でも
1巻目だけでは 魅力が伝わりにくい作品でもあるので
ぜひ シリーズとして 読んでみてください。

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読み進めていくにつれ、
崩子ちゃんとか、萌太くんとか
零崎一族 (人識、双識) とか 魅力的なキャラが
たっぷりと たくさん 出てきますよ。

特にオススメは 零崎一族。
変態・変人だらけです。


でも
西尾維新さんの良さを 手っ取り早く知るには
「きみとぼくの壊れた世界」かもしれません。
2013年07月31日 13:33 カテゴリ:夏の36冊
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栗本薫 「魔界水滸伝」

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栗本薫さんに出会ったのも
若林図書館に通いつめていた 中学生の頃。

「朝日のあたる家」、「終わりのないラブソング」から始まり
「レダ」、「セイレーン」、「心中天浦島」、「さらしなにっき」と
SFモノに はまり
「夢幻戦記」で 見事に 栗本さんワールドに はまり しました。

そこで 満を持して読んだのが、この「魔界水滸伝」!!

当時から神話が好きだった風間。
一人PCで “中国神話大全” みたいなサイト巡りをし
自分なりの系図を作り、としていたわけですが。

ものっすごく ワクワクするんですよね、このシリーズ。

クトゥルーの神々 vs 地球古来の神々(鬼・天狗・蛟)
しかも 何人かは ○○の転生した姿、だなんて。

なんて どきどき するんでしょう!!

主人公は 大学生:涼と ルポライター:雄介。

この二人も 嫌いじゃないんですが
蛟で八岐大蛇で織田信長 : 北斗多一郎
地球軍・参謀 : 加賀四郎
希代の詐欺師 : 草薙三四郎
というキャラクターたちが 好きです。

涼がどんどん 女々しく・なよなよっとしていくのも
あの ラストだからか…!?と
20冊かけて描かれるラストは 衝撃的でした。

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(下の段にある「白銀の神話」は 北斗多一郎が主人公の外伝です)

“水滸伝” なわりには 中国らしさは希薄ですが
その分 世界的な有名神話の神々・民話に出てくる妖怪が
これでもか!と 登場します。

ぜひ、栗本さんの 『妖怪大戦争』、堪能してください。



ちなみに。

その後も 栗本さんワールドはまりは続き、
ついに 「グイン・サーガ」にも手を出し (大人買いし)
お家の本棚に どどんっと鎮座しております。

何度 読んでも (次の展開を覚えていても)ワクワクする
その雰囲気、大好きです。
2013年07月30日 14:09 カテゴリ:夏の36冊
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松岡圭祐 「ミッキーマウスの憂鬱」

今日(7/29)は 『別冊 LaiLai 夏の36冊』 ということで
SunriseStation の 高橋綾さんに
好きな本を 教えていただきました。

松岡圭祐さん の 「ミッキーマウスの憂鬱」



…松岡さんで、ミッキーマウスで、憂鬱!?

と思っちゃいました。

松岡さんといえば
映像化された「催眠」「千里眼」
映画化も決まった「万能鑑定士Qの事件簿」
こういった シリーズもののイメージが 強すぎて
単発モノのイメージがなかった&ファンシーなイメージもなかったので。


《あらすじ》

主人公は、東京ディズニーランドで アルバイトすることになった
21歳の後藤くん。
彼は、
友情・トラブル・恋愛…さまざまな出来事を通して
裏方の意義や誇りに 目覚めていきます。
巨大テーマパークの“バックステージ”を描いた
史上初の ディズニーランド 青春 成長 物語!!


ということで 松岡さん作品にしては ふわっとした雰囲気ですが
“東京ディズニーランド史上、最大の危機に相違なかった”という
一文があるとおり 大変な事態も起こっちゃうんですって。

東京ディズニーリゾート 開園25周年 の年に書かれた この作品を
30周年の2013年に 読む。
(しかも アヤタカねえさんは 昨日 大阪のテーマパークに行ってきた)
いろいろな意味で タイムリーな作品なので
よかったら 手にとってみてください。


本棚を探しても 松岡さん作品は
万能鑑定士Qシリーズしか 持ってませんでした…



しかも 集め途中。

「催眠」とか「千里眼」とか
中学〜高校にかけて はまって読んだんですけどね。
また 集めないとです。

2013年07月29日 13:20 カテゴリ:夏の36冊
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