手塚治虫と浦沢直樹

寒い寒いと言い続けていると、
気がつけば2月も半ばを過ぎています。
時の経つのはとても早くて、
気がつけば、先週のガンダミンゴを書いていない・・・。
申し訳ないです。
二週まとめて、「手塚治虫さん」「浦沢直樹さん」について、
ガンダミンゴブログ、いってみます。


2/9は手塚治虫さんの命日ということで、
2/8(金)に行った『手塚治虫さん特集』。
今年は手塚さんの生誕80周年になるんですね。

手塚さんといえば、
締め切り前に担当編集者の目を盗み、
映画鑑賞のためと称し度々逃亡したり、
深夜、「メロンを買ってこなければ続きを描かない」
と担当編集者に無理難題を押しつけたり、
寝ているところを担当編集者に怒られると
「寝てたんじゃない。横になって疲れをとってたんだ!」
と言い放ったなどの四方山話をお持ちの方ですが、
漫画界に残した功績は、日本だけでなく、
世界規模で大きいと言っても過言ではないでしょう。

そんな手塚治虫さんが影響を受けたものというと、
漫画家ではウォルト・ディズニーや、
岡本一平さん(岡本太郎さんの父親)などで、
ちなみにこの岡本一平さんは
甲子園でよく言う『アルプススタンド』
という呼び名の生みの親だそうです。
小説家では江戸川乱歩。
映画監督ではチャップリン。
音楽ではショパン。ベートーベン。

無類の映画好きで、年に365本観たこともあるらしく、
特にディズニーは『バンビは80回』『白雪姫は50回』観たと言われるそうです。
今でこそ当たり前のグッズ販売で収益を得るという手法は、
ディズニーに倣ったそうで、
『鉄腕アトム』以前の日本のアニメ界には
グッズ生産時に原作者にお金を払うという概念がなかったそうです。

マンガを描く技術だけでなく、
アニメの手法や、その他多くの技術を日本に注入し、
日本アニメの基礎を作ったという手塚さんに、
あらためて敬意をはらいたいと思います。

そんな手塚さんの名作『鉄腕アトム』の一作を元に、
あらたにマンガを描いているのが、
現在の漫画界を引っ張る浦沢直樹さんです。

小学生の頃、一時期いじめられたこともあったが、
クラスのガキ大将にマンガを描いたことで、
いじめがピタリと止まったというエピソードを持ち、
「マンガ君」と思われるのが嫌で、大学ではマンガ研究会には入らず、しかしマンガ研究会の人よりもたくさん漫画を描いていたということです。

「MASTER キートン」を描いていた頃、
ネタに困ると、意識を失うまで考えてから、
浅い眠りを 1 時間くらいすると答が見付かったことが 4, 5 回あったらしく、
その後、脳波をコントロールできるようになり、
浅い眠りに入らなくても閃くようになったという話もあるそうです。
脳波をコントロールって・・・凡人の僕には分かりません。
ただ、苦労せずにひょいひょい描いてるかと思いきや、
浦沢直樹でもそんな苦労をして描いているんだなと、
そんな苦労があるから、面白い物が生まれるんだな、
とあらためて、浦沢さんの魅力に惹きつけられます。

浦沢作品で僕が好きなのは、何と言っても『YAWARA』。
元々はアニメから見て、その後マンガを読み出し、
いつしか浦沢ワールドの虜になりました。
マンガで涙を流すなんて、そうそうない。
けれど、浦沢作品には、人間の心の奥を揺さぶる何がが、
しっかりと存在するのだと思います。

今でもYAWARAのテーマソングを聴く度に、
あの頃の気持ちがオーバーラップして、
どこか懐かしく、そして、とても気持ちが良いのです。
2008年02月17日 23:12 カテゴリ:フクダンチ
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