夢枕獏 「涅槃の王」
(08/22 夏の36冊)
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風間が大好きな 夢枕獏さんの作品の中でも
1番好きなのが この 「涅槃の王」。
図書館で 初めて “ゆ” の欄に行って
『涅槃ねぇ…仏教?』 なんて思いながら なんとなしに 手にとったら
表紙の「百獣図」に惹かれ
読んでみたら はまり… 今に至ります。
何が好きって
シッダールタ(若かりし頃の仏陀)が 山(樹)登りをしちゃう、
そのストーリー。
そこに 仏教・密教の妖しさを中心に
人間の欲求・浅ましさとか
不老不死を願ってしまう心とか
そのせいで 変化してしまった異形のモノとか
さまざまな要素が 猥雑に混ざっているところ。
以前 紹介した 「キマイラ吼」シリーズも好きですが
これは (獣化しちゃいますけど)現代モノ過ぎるきらいもあって。
神話・歴史好きな風間にとっては
この「涅槃の王」の舞台が 古代インド という時点で
妖しい雰囲気を感じ たまりません。
しかも、祥伝社文庫では 4巻
総ページ数にして 2763ページを読んでの クライマックスシーン。
シッダールタが 仏陀に 覚醒した瞬間の すばらしさ!
神々も歓喜、
シッダールタも歓喜、
風間も歓喜。
圧倒的な筆力を持つ 夢枕さんだからこそ書けた
このダイナミックなシーンは 感動。
泣きそうになります。
《抜粋》
“肯(よし)”
と、その声は言った。
“この世のあらゆるものは肯(こう)である”

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